建夫:
建代: |
「こんちわー。」
「こんちわー。」 |
| ばば: |
「あぁ、いらっしゃい。あら?子供らは?」 |
| 子供: |
「じゃじゃーん!きたよー!」 |
| ばば: |
「あぁ、よくきたねー。じじ、建夫君たちがきたよ。」 |
| 建代: |
「とりあえずお邪魔するね。これ、この間、建築屋さんが持ってきてくれた図面ね。見てみて。」 |
| ばば: |
「あら?もうそこまで話が進んでいるの?」 |
建夫: |
「いやー、まいったね。」 |
| ばば: |
「どうしたの?」 |
| 建夫: |
「それがさぁ・・・」 |
| 建代: |
「あのね、部屋の間取りのことでもめてんの!」 |
| ばば: |
「なして?なんでさ?」 |
| 建代: |
「私は絶対にバルコニーが欲しい!って思ってるんだけど、そうすると2階にお風呂が作れなくなっちゃうんだって。」 |
| 建夫: |
「俺はやっぱり2階にもお風呂が欲しいわけよ!結構仕事とかで帰り遅くなったりするしょ?そしたらじじとばばが寝てるのに起こしたら悪いなーって気ィ使うしょ?やっぱり2階にも風呂がないとなーなんて思ってるんだ。」 |
| 建代: |
「だってそんなにそんなにしょっちゅう遅いってわけじゃないんでしょ?」 |
| 建夫: |
「そんなのわかんないよ!仕事の入り具合にもよるからね。」 |
| ばば: |
「まあ、今すぐに、って事でもないんでしょ?それよりもあんた達、もう私たちが1階であんた達が2階って決まっちゃってるの?」 |
| 建夫: |
「それは問答無用でそうしちゃったよ!」 |
| ばば: |
「あら、そう・・・」 |
| 建代: |
「何か不都合でもあるの?」 |
| 建夫: |
「一応、階段の上り下りは足の丈夫な若い俺達、子供部屋も作らんとならんし部屋数も必要になってくるんでね。」 |
| ばば: |
「そっか・・・わかったよ・・・それよりもあんた達、地鎮祭とか建前はどうするの?」 |
| 建夫: |
「へ?」 |
| 建代: |
「そういえば大分前に伊藤さん、そんな話してたよね?」 |
| 建夫: |
「地鎮祭ってやるの?」 |
| ばば: |
「やらんとだめだべさ!やっぱりこういうのって縁起物だからね。」 |
| 建夫: |
「建前で餅拾いに行ったことはあるけど最近やってるところなんてあるの?全然見ないよ。」 |
| ばば: |
「やってるかどうかは知らんけど、やっぱりきちんとしておいたほうがいいんじゃない?」 |
| 建代: |
「その、伊藤さんが前に話してたって言ってたけど、どんな話してたか覚えてる?」 |
| 建夫: |
「建前は最近の近所付き合いの度合いが下がってきてるからやらない人がほとんどだ、って・・・でも地鎮祭はほとんどの人がやってるって言ってたよ。やっぱり大工さんに『これからよろしくお願いします。』っていう意味もあるし、縁起を担ぐっていうこともあるし、無事に家が建ちますようにって事だからやっぱり大事な行事なんだって・・・」 |
| ばば: |
「地鎮祭はやっぱりやらんとね・・・」 |
| 建夫: |
「そっか・・・そうだね・・・」 |
| ということで早速伊藤さんに来てもらい、打ち合わせをすることに・・・ |
| 伊藤: |
「では、地鎮祭はやるけども建前はやらない、ということでよろしいですね。」 |
| 建夫: |
「はい・・・ところでそれって問題ないんですか?」 |
| 伊藤: |
「問題といいますと・・・」 |
| 建夫: |
「あの、地鎮祭だけやって建前をやらないっていうのが・・・」 |
| 伊藤: |
「えぇ、それは問題ありません。一応昔からの風習といいますか、儀式みたいなものなんですけど特に『神徒さん』ではないですよね?」 |
| 建夫: |
「はい。」 |
| 伊藤: |
「それであれば別にこだわることはありませんよ。」 |
| 建夫: |
「そうですか・・・ところで地鎮祭って松の木の枝をお供えしたり、米や塩や魚なんかを奉ったりしてパンパン手ェたたくやつでしょ?」 |
| 伊藤: |
「そうです。」 |
| ばば: |
「昔、実家を建てたときにやった気がする。」 |
| 建代: |
「その言い方ってまるで『昔自分が建てましたよ』って言ってるみたい!」 |
| ばば: |
「そうじゃないべや!だいたい常識から考えたら分かるしょ!」 |
| 建代: |
「・・・・・・」 |
| 建夫: |
「まあ、かなり昔の話だな・・・」 |
| 伊藤: |
「そうですか、そのときは建前もやったんですか?」 |
| 建夫: |
「はい、やりましたよ。うちは農家なんでそういうのって本当に人が集まるんです。かなりにぎやかにやってましたね。私はまだちっちゃかったんで上から餅を撒かしてもらえなかったんです。だから下で一生懸命餅に混じってばら撒かれるチョコレートを探してたんですよ。」 |
| 伊藤: |
「そうでしたか・・・ところで、地鎮祭のときの神主さんの手配やら供物の手配とか祭壇の用意とか色々あるんですが、全て我々のほうで手配させていただきます。
あと、当日振舞うお酒と大工さんたちへのお膳料はお客様のほうでご用意ください。」 |
| 建代: |
「それって相場はいくらくらいなんですか?」 |
| 伊藤: |
「まあ、ピンからキリまでって事はないんでしょうがお客様によって本当に様々ですね。奮発される方は10万円単位であげてらっしゃる方もいらっしゃいますし棟梁さんも他の大工さんと同じ金額にしてたりと、本当に色々ですよ。」 |
| 建代: |
「棟梁さんと大工さんって・・・何人分くらい用意しなくちゃいけないんですか?」 |
| 伊藤: |
「はい、通常であれば棟梁が1名に大工さんが2名、合計3名分ですね。」 |
| 建代: |
「それで、だいたい一般的には皆さんどのくらいずつ用意しているんですか?」 |
| 伊藤: |
「そうですね・・・実際のところは中身を開けてみている訳ではないので全く分かりませんが棟梁さんで3万円、大工さんで1万円というあたりが無難な線ではないでしょうか?」 |
| 建代: |
「わかりました。で、時期はいつくらいになるんでしょうか?」 |
| 伊藤: |
「そうですね・・・いつでもできるんですが・・・やはり大安の午前中が良いでしょう。」 |
| 建代: |
「時間ってどのくらいかかるんですか?」 |
| 伊藤: |
「そうですね・・・だいたい30分くらいなもんでしょうか・・・基本的には神主さんにお祓いをしてもらってチャンチャンで終わります。」 |
| 建代: |
「わかりました。」 |
| |
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そんなこんなで無事地鎮祭を終えた館山家。やはり初めてのことで勝手が分からず不安だったが、全て伊藤さんや神主さん、また大工さんたちも慣れていたのでお任せすることができた。
次回は、実際に工事をしている現場に出向いて作業の様子を確認する場面のお話です。 |