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札幌のある家庭での物語り

第四話:どのくらいの予算が必要なの?〜資金計画〜


【前回までのあらすじ】 前回、建築会社選びに精を出していた館山夫婦だが、今回は、いよいよ具体的な資金計画の話になってきました。

建代: 「ねえ、建夫。今回こうやって実際に家を建てるぞ、って決まってからの私たちって本当によく勉強してるよね。」
建夫: 「おお、そうだよな。こんなに勉強したのは本当に久しぶりだな。」
建代:

「でもいろんな人の話を聞いてもやっぱり『資金計画』のことが重要だ、ってみんな言ってたよね。ほら、あの伊藤さんだって・・・」

建夫:

「そうだよなー。そう言えば、伊藤さん今度源泉徴収票見せて下さい、とか言ってたぞ。それでこの間の返済額がいくら位になるとかってやつ、あれを教えてくれるんじゃないの?」
「あれって今度の土曜日だよね。ちゃんと源泉徴収票保管してあるから大丈夫だよ。」
「よしよし・・・」


そして、土曜日・・・
「ピーンポーン」とチャイムの音が・・・

建夫: 「はーい」
伊藤 「S住宅の伊藤です。」
建夫: 「あっ、どうぞ。お入りください。伊藤さん、先日はどうも・・・」
伊藤 「いえいえ、こちらこそ、お世話になっております。」
建夫: 「早速ですが、先日の話にあった源泉徴収票を用意しました。」
伊藤 「ありがとうございます。これで、一度当社のほうで試算をいたしましてまた詳しくご連絡させていただきます。」
建夫: 「よろしくお願いします。ところで、万が一金融公庫からお金を借りることができなかった場合はどうなるんですか?」
伊藤 「その場合は、各種金融機関のローンを使うことになります。例えば銀行でやっている住宅ローンなどです。それでもだめな場合は自己資金を用意していただかなければなりません。自己資金を全額用意するというのはなかなかできませんので事実上、新築をあきらめていただかなければなりません。」
建夫: 「へー、そうなんだ。ちなみに今まで話が進んだのにもかかわらずローンが通らなかったばっかりに契約できなかったパターンってあるんですか?」
伊藤 「それはたくさんありましたよ。でもね、我々も給料もらって営業やってるもんですから時間をかけただけの経費がかかっているんですよ。早めにその人の金銭に関する情報を入手するという癖がついてしまいましたね。そうすることで早めにチェックができるんですよ。」
建夫: 「なるほどねー・・・」
建代: 「ねえねえ伊藤さん、私たちの場合はその源泉徴収票だけで大丈夫って分かるんですか?うちの主人は今の勤め先に入ったのが今年の4月なものですからちょっと心配で・・・」
伊藤 「はい。まず大丈夫でしょう。ちなみに銀行の住宅ローンはまず間違いなく通らないでしょう。」
建夫: 「えっ?まじで?」
伊藤 「はい、そうです。銀行の住宅ローンは勤続年数を結構重要視するんですよ。それで、銀行によっても違いますが一般的には勤続年数が3年以上というバーがあるんです。」
建夫: 「ありゃりゃ・・・そりゃ公庫がだめだったらあきらめろってことだな・・・」
伊藤 「そうなります。ただし、公庫の場合は勤続年数は今のところ考慮には入っておりません。それよりもその人が今後どのくらいの年収で推移していくのだろうか、というところに関心を持ちます。」
建夫: 「そうだよね。いまのこの時代、2回や3回の転職があたりまえの世界になってきているもんな・・・という事は銀行からお金を借りたければ転職するな、ってことになるんだね?」
伊藤 「そうですね・・・今のところは、という言葉を付け加えさせていただきます。今、銀行は貸し渋りとか言われていますけど、本当に安全な貸出先には積極的にお金を貸し出ししたいと思っているはずです。銀行の財務体質自体に危険がせまっているところも珍しくありませんからね。あと、住宅金融公庫も財務状態は非常に悪いといわれているんですよ。そのうち、廃止案だとか民営化になる、って言う話ももしかしたらでてくるかもしれません。」
建夫: 「うひゃ〜!そんなにきびしいんだ・・・」
伊藤 「それで話を戻しますが、館山さんの場合は、この書類で金融公庫に申請をしまして最大融資額が出てきます。そのうえで、お二方のご希望の土地を聞いたり住宅の広さのお話をさせていただこうと考えておりますのでよろしくお願い致します。」
建夫: 「そうだよね。いくらこっちの希望どおりに進めようと思っても予算オーバーで途中からプラン変更になりました、って簡単には行かないもんね!」
伊藤 「そうなんです。正式にはこちらが考えていた金額よりも少なく出てくることもあるものですから・・・それと確認申請といって・・・簡単に申しますときちんとした設計図が出来上がっていてこの土地にこのような住宅を建築しますよ、というものをお役所に提出しなくてはいけないんですよ。そしてそれが通って初めて工事に取り掛かります。そして館山さんの場合は一応建売の形式となっておりますので、手続きが後手後手になってしまうんですよ。そこのところはどうぞご了承ください。」
建夫: 「どのくらいの期間でその金額が出てくるんですか?」
伊藤 「だいたい10日前後をお考え下さい。そのあと、いろいろな条件をクリアすれば融資額が増えますよとか言う話をさせていただくことになりますが今は頭がごちゃごちゃすることになると思いますのでお話いたしません。また、後日、更に揃えていただく書類等もございますのでその後連絡もさせていただきます。」
建夫: 「分かりました。よろしくお願いします。」

こうして第1回目の資金計画についての伊藤さんとの話し合いは終わった。やはりまだ建夫にも建代にも不安があることは確かだ。本当に自分達の一戸建ての夢が実現するのかどうか・・・もしくは、思ったよりも融資額が少なくてどうしても自分達の希望するとおりの家を建てることができないだとか・・・
建てよう物語 登場人物紹介
 館山建夫 32歳
 建代(妻) 29歳
 太郎(長男) 6歳
 次郎(次男) 4歳
 じじ(建代の父) 64歳
 ばば(建代の母) 64歳

第一話『家をたてるきっかけ』
第二話『モデルハウス見学』〜どんな家にしようかな〜
第三話『建築会社選び』
第四話『どのくらいの予算が必要なの?〜資金計画〜』
第五話『書類をそろえる〜ローン金額の決定〜』
第六話『土地選び、住宅の坪数決定〜現地視察〜』
第七話『おおまかな間取りの設計〜家族の意見の食い違い〜』
第八話『地鎮祭・建前 〜今後の不安感〜』
第九話『現場視察・詳細設計打ち合わせ〜こんなはずではなかった?』

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