| 建夫: |
「なあ、俺たち家を建てるって結局どこに家建てるんだ?」 |
| 建代: |
「私としてはやっぱり住み慣れた東区がいいんだけど・・・」 |
| 建夫: |
「でも札幌市内だと土地が高いべ?きっと?石狩だとか北広島みたいな少し郊外に出ると土地ってずっと安くなるみたいだぞ。」 |
| 建代: |
「でも市外に出ちゃうと買い物だとか交通の便だとかいろいろあるんだよね。ばばが買い物に行きやすいところが基本的にはいいんだけど・・・私たちやじじは車あるからいいけどさ。あと子供の学校のことも考えないとね。」 |
| 建夫: |
「うーんそうか。俺としてはそのこともあるし東区でもなるべく北のほうが実家に近くていいんだよな。俺も長男だからよー。いろいろ親の面倒見なくちゃなんねー場合も出てくると思うんだ。」 |
建夫の実家は札幌の隣町、江別市だった。 |
| 建代: |
「うん、じゃあその辺の土地で住宅地あいてるかどうか調べてみてよ。」 |
| 建夫: |
「調べるってどうやってよ?」 |
| 建代: |
「この間買った本、まだ読んでなかったところだけどいろんな土地情報も載ってたよ。」 |
| 建夫: |
「どれ、また読書でもすっか・・・・・・ん?なになに・・・えー?こんなところ住宅地になったのか?ちょっと前まで笹の葉の畑みたいなところだったぞ。でもこの地図じゃ分かりづらいなぁー。新興住宅地になってるよ。」 |
| 建代: |
「えー、どこどこ?」 |
| 建夫: |
「東苗穂の奥地だよ、これ。」 |
| 建代: |
「でも一応東区じゃない?それにここまで北になると建夫の実家とも近いんじゃない?」 |
| 建夫: |
「うん、この地図なんまら省略して書いてっから分かりづらいんだけど時間作って今度また土地でも見に行ってくるよ。しかもここの団地作った会社のモデルハウスもあるみたいだし。」 |
| 1週間後、建夫はモデルハウスを見に行き、そこの営業担当者に非常に好印象を持って帰ってきた。一方建代は5社ほどの資料を集め終わったところだった。 |
| 建夫: |
「ただいまー。」 |
| 建代 |
「どうだった?」 |
| 建夫: |
「うん、なまら感じのいい人だったよ。こっちの分からないところまで細かくフォローしてしてくれそうだなってのが伝わったもん。」 |
| 建代: |
「へえ、今度私も行ってみたい。」 |
| 建夫: |
「で、そっちはどうなの?資料のほう?」 |
| 建代: |
「うん、5社くらい集めてみたんだけど、そこそこの会社でもってる土地が違うみたいなの。たとえばこの建設会社だと北広島市に安く家を建てませんかーとかこっちは石狩でしょ?これだと南区だもん。」 |
| 建夫: |
「やっぱりその会社で得意な土地とかあるんだな。」 |
| 建代: |
「建夫の行ってきた所の会社は東苗穂専門なの?」 |
| 建夫: |
「いや、他にも色々とあるみたいだけどあの辺一帯の住宅地ほとんど土地を押さえてるみたいだぞ。」 |
| 建代: |
「そうなんだ。やっぱり私もその人に会ってみたい。」 |
| 建夫: |
「よし、じゃあ夜にでも行ってくっか?遅くまでやってるらしいから」 |
| 建代: |
「えっ?今日?」 |
| 建夫: |
「おぉよ。『便は急げ』って言うベ?」 |
| 建代: |
「『善』でしょ!ほんとに建夫はきたないんだから。腹に便でも詰まってんじゃないの?」 |
| 建夫: |
「んなこたねぇよ!」 |
ということで家族総出でモデルハウスへ訪れた。
*「伊藤さん」は、モデルハウス展示場で建夫が話を聞いた営業マンです。 |
| 伊藤: |
「いらっしゃいませ。あっ館山さん、どうもこんばんは。」 |
| 建代: |
「どうも、こんばんは。家族そろってきてしまいました。」 |
| 伊藤: |
「どうぞどうぞ、あっ奥様はじめまして。私、伊藤と申します。よろしくおねがいします。」 |
| 建代: |
「こちらこそお願いします。あのーそれで東苗穂のこの辺の土地ってほとんどお宅の会社で押さえてらっしゃるんですか?」 |
| 伊藤: |
「はい、新しくこのあたりを役所に申請しまして住宅地としてすべて押さえております。現段階ではまだ整備が進んでいないところも多いんですが半分くらいは整地まで全て終わっております。ただ、このあたりは建売物件用の土地として届けておりますもので、ご主人様から聞いたんですが二世帯をお考えとのことで・・・?」 |
| 建代: |
「はい、そうですが・・・それじゃまずいんですか?」 |
| 伊藤: |
「いえ、そういうことはございません。一応お客様からご注文いただいた内容で注文住宅のように作りますが完成した段階で建売として販売する形になります。」 |
| 建代: |
「へえ、そんな技があるんですか。」 |
| 伊藤: |
「はい、そういったお客様は結構いらっしゃいますよ。企画の建売住宅では個性が出ないとおっしゃられる方が増えておりますものですから。ですからいっこうに構いませんよ。」
「そうですか。」
|
| 伊藤: |
「あと、ご主人様から聞きましたが資金計画がまだだとか・・・」 |
| 建代: |
「ええ、どのくらいお金が借りられるのかまだ全然分からないんです。」 |
| 伊藤: |
「ちなみに、住宅金融公庫でお考えでしたら今年から公庫の方針が少し変わりまして、今までの30年ローンに加えて超長期の35年ローンというのができたんです。それだと今までに比べて融資可能額も少し上がります。あと、不足する部分は銀行ローンですかね。」 |
| 建代: |
「なんか専門用語が一杯出てきてわかんなくなってきたぞ。」 |
| 伊藤: |
「ああ、すみません。ところで旦那さんの去年一年間の所得ってどの位あったんですか?」 |
| 建代: |
「うーんと・・・確か800万円くらいだったような気がするな。」 |
| 伊藤: |
「それでしたら先ほどの35年ローンで土地と建物合わせまして3400〜3500万円の融資が受けられます。ただし、これには条件が色々ありましてバリアフリー住宅にしなければならないだとかの条件があります。返済にボーナス払いを含めませんと毎月の返済額は当初10年間は13万円弱、その後の25年間は145000円程度になります。」 |
| 建代: |
「へえ、よくそんなのすぐぽんぽん出てくるねぇ〜。」 |
| 伊藤: |
「これも経験ですよ。」 |
そんなこんなで約2時間、二人は真剣に伊藤さんの話を聞いて帰ってきた。やはり、土地を持っている、というところが館山家の印象を良くしたようだ。建て主は、それぞれ家を建てる重要ポイントを持っている。それは例えば会社の規模、信頼性だったり、土地の価格だったり場所だったり、あるいは家のデザインだったり機能性だったりと本当に様々だ。たまたま館山家の場合はその会社の持っている土地の「場所」だったわけであり、それに加えて担当営業マンの印象というのも重要な要素の1つになっていたようだ。建代が資料を集めた会社の中には「家はもちろん作ります、ただし土地はご用意していただきます。」というような会社もあった。
このあと結局館山家は伊藤さんのいる「S社」を中心に話を進めていくことになる。
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