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札幌のある家庭での物語り

第9回:現場視察・詳細設計打ち合わせ〜こんなはずではなかった?


地鎮祭も終わり、家の基礎も出来上がり、いよいよ館山家の新居の本格的な工事が始まっていた・・・

ピンポーン♪

建夫:「おお、ばばか。いらっしゃい!」
ばば:「今日は休みなの?」
建夫:「うん、今週は土日とも休みなんだ。」
ばば:「そうかい。それは良かった。」
建夫:「ん?なして?」
ばば:「いや、家の工事の進み具合とか見に行きたいなーと思ってたんだ。」
建夫:「おお、そうか!いいね!行こう行こう。子供らが帰ってくる前に行っちゃおう!」
ばば:「で、建代は?」
建夫:「今出かけてる。買い物に行くって言ってたよ。」
ばば:「じゃあしばらくかかるね。わちら二人で行こうよ。天気も良いし、ドライブがてら。」
建夫:「うん、いいよ。」

二人は早速新居の工事現場へと出かけた。

建夫:「おー、柱も組みあがってきたね。」
ばば:「ちょっと。これ、玄関はどこになるの?」
建夫:「玄関は・・・そうそう、この道路に面してるんだからこっちだ。」
ばば:「ふーん・・・そうかい・・・なんか完成予想図みたいなやつ見せられてたのもあってか、この状態で見ても良くわかんないね。」
建夫:「うーん・・・そうだね・・・なかなかイメージを作るのは難しいかもね。」
ばば:「ちょっと棟梁さんに聞いてみようか。」
建夫:「だめだって!じゃましちゃ悪いべや!ちょっちょっ・・・ってもう聞きに行ってるし・・・」
ばば:「こんにちは。ご苦労様です。」
大工:「あぁ、お母さんですね。こんにちは。先日はいろいろとありがとうございました。すっかり世話んなっちゃって・・・」
ばば:「いやいや・・・いつも一生懸命しっかりやってくれてありがとうね。」
大工:「いえいえ、とんでもありませんよ。仕事ですからこの位は当たり前です。」
ばば:「でもなんだかまだイメージがつかみづらいねぇ、この状態だと・・・」
大工:「うーん・・・そうですね・・・イメージがつかめるようになるにはまだかかりますね。でももし良かったら再来週の週末だったら二階にも床板のベースが入るんで大体の感覚でよければそれでイメージが少し湧くかもしれませんよ。」
ばば:「え?再来週に?そこまでできてるの?」
大工:「ええ。もし良かったらそのときでもゆっくり時間とって見にきてください。」
ばば:「ええ、じゃあそうするね。」

いったん二人は帰路についた。そして建代に今日のことを話した。

建代:「ええ?私のいない間に二人して行ってきたの?サイテー!」
建夫:「だって買い物いったらいっつも何時間も帰ってこないしょ?」
ばば:「そんな待ってらんないよ。わちだって忙しいんだから。」
建代:「何んにも忙しい訳ないしょ?いっつも家でごろごろしてるだけなのに!まあいいわ。それでどうだったの?」
ばば:「いや、なんかねー、まだぜんぜん家や部屋のイメージがつかないような感じだったよ!柱は建ってたけど・・・」
建代:「それだけ?」
ばば:「基礎もできてた。」
建代:「そんなの当たり前でしょ!基礎もできてないのに柱が建つ訳ないじゃん!」
ばば:「でも再来週の週末だったら二階の床できてるって言うからまたその時にでもおいでっていってたよ。」
建代:「へー、そうなんだ・・・今度は私もいくからね!」

そして迎えた当日・・・

建夫:「うぉ〜!すっげ〜!」
建代:「うわぁ!本当に二階ができてる!」
ばば:「でも階段ないのにどうやって上がっていくんだべ?」
建代:「あの足場から上るしかないんじゃない?」
建夫:「そんな勝手に上っちゃったらやばくない?」
棟梁:「館山さ〜ん。こんにちは〜。」
建夫:「あっ、棟梁さん!」
棟梁:「どうぞどうぞ・・・もし足元が大丈夫であればこの足場から上ってきてもいいですよ!でも無理はしないで下さいね!」
建夫:「分かりました」
建代:「ばばは、どうする?」
ばば:「わちはやめとくわ。よたよたの年寄りの上がるところじゃないわ。」
建代:「じゃあ私たちは上行ってるよ・・・ってもう建夫上っちゃってるし!・・・ばばは一階の部分見てれば?」
ばば:「うん、そうしてるわ。」
建夫:「ううん・・・ここが居間か・・・ねえ、建代、こっちがキッチンみたい。」
建代:「へえ・・・なんか意外とこうやって見ると狭いのね・・・これって本当に12畳近くあるの?」
建夫:「あるんじゃない?何なら測ってみっか?」
建代:「いや、そこまでしなくてもいいけど、もっと、なんかこう・・・もうちょっとゆったりしてると思ってた。」
建夫:「まさか今から図面変更なんてできるわけないし、出来上がるの待つしかないべや。これに今はまだ壁がついてないけどちゃんと壁とかドアとかついたら違って見えるかもよ。」
建代:「そうねえ・・・なんかちょっとがっかり。でも壁が付いたらもっと狭く見えるんじゃないの?」
建夫:「そんなのわかんないよ。まあ、しゃーねぇーべ。別の部屋も見てみようよ。」
建代:「うーん、ここがトイレか・・・こっちが寝室ね。子供部屋はこっち?」
建夫:「うん、そうそう。でもやっぱりこうしてみると建代の言う通り少し狭く見えるな。」
建代:「それにここ、この場所にクローゼットもつくわけでしょ?」
建夫:「そうだよ!わすれてた。あぁ・・・結構狭いんだな・・・」
建夫:「図面で見るのとこうやって実際工事しているところを見るのとではぜんぜん見え方が違うんだな・・・モデルハウスだと広い部屋ばかりだったからあまり気づかなかったんだけど実際自分の予算で建てられる家って言ったらやっぱりこの程度なんだな・・・ちょっとショック・・・」
建代:「それがしょうがないわよ。」

図面を見て、そしてモデルハウスを見てと、いろいろとこれからの新居に夢をはせていた二人の前に突きつけられた現実の厳しさは得に建夫にとってはショックだったようだ。しかしちゃんと家は図面どおりに工事が進められていて、これから出来上がるのを待つよりほかなかった。更なる不安を胸にどんな家が出来上がるのか?次回、とうとう最終話。完成後の家のかぎの引渡しのお話しです。
建てよう物語 登場人物紹介
 館山建夫 32歳
 建代(妻) 29歳
 太郎(長男) 6歳
 次郎(次男) 4歳
 じじ(建代の父) 64歳
 ばば(建代の母) 64歳

第一話『家をたてるきっかけ』
第二話『モデルハウス見学』〜どんな家にしようかな〜
第三話『建築会社選び』
第四話『どのくらいの予算が必要なの?〜資金計画〜』
第五話『書類をそろえる〜ローン金額の決定〜』
第六話『土地選び、住宅の坪数決定〜現地視察〜』
第七話『おおまかな間取りの設計〜家族の意見の食い違い〜』
第八話『地鎮祭・建前 〜今後の不安感〜』
第九話『現場視察・詳細設計打ち合わせ〜こんなはずではなかった?』

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